みなさんこんにちは〜。今回は少しニッチな話題です。みなさんは学生の頃、熱中していた趣味などはありますか?私は大学生の頃、漫画やアニメ、特に美少女系のコンテンツに夢中になっていたいわゆる「オタク」というやつでした。「推し活」なんて言葉もあるくらいですから、ご覧になっている方も何かしら夢中になっている・なっていたものがあるのではないでしょうか。
美少女アニメやアイドルを好きな方の中にも、様々なスタイルがありますよね。例えばライブや握手会など現地に行ってひたすら生の姿を応援するスタイル。ありとあらゆるグッズを収集して家に飾ったり身につけたりし、推しへの愛をアピールするスタイル。愛の数だけスタイルがあると思いますが、私は中でも少数派な人間でした。
「二次創作」
「二次創作」というものをご存知でしょうか?アニメや漫画など、すでに存在する作品の内容をもとに新たな作品を創作するものです。学生時代の私は、とりわけ美少女アニメの二次創作に夢中になっていました。大学生の後半には創作したものを「同人誌」として実際に印刷・イベントで販売なども行っていました。記憶を掘り起こすと、筋金入りのオタクだったと思います(笑)
元々美少女アニメは大好きで、大学生の頃はアイドルものにのめり込んでいました。その作品の「二次創作」はネット上で非常に盛んで、いつしか自分も作品への有り余る愛を形として表現したい!と思うようになったのです。それまで絵なんてまともに描いたことがありませんでしたが、若い頃の私はなりふり構わず気づいたら描き始めていました。
初めはもちろん全てが下手くそでした(笑)女の子の顔すらまともに描けない程でしたが、作品への愛だけが私を走り続けさせたのだと今では思っています。1〜2年ほど続けていると、人に見せても恥ずかしくはないかな…と思えるくらいのクオリティのものを描けるように。そして、私の二次創作を語る上で大きな転機が訪れます。
当時のアルバイト先に、私と同じような創作系の趣味を持っている友人がいました。彼は私よりもはるかに長くそうした趣味を続けていて、画力や表現力では遠く及ばない存在だったのですが、創作仲間としてある提案をしてきたのです。「一緒に二次創作を形(同人誌)にしてイベントで売ってみないか?」というものでした。お世辞にも上手いとは言えない自分の画力で、そんなことをしても良いのかとも思いましたが、気づけば大学も4期生。時間に余裕がある今しかできないことに挑戦してみたい!という思いが勝ち、彼と共に参加することにしたのです。
同人誌イベントへの初参加
そこからは怒涛の毎日でした。どんな登場人物で、どのような物語に仕上げるかを考え、イベントまでの日にちを考慮しスケジュールを作成、当然学業とアルバイトも続けながら、執筆にも精を出していました。イベント当日は「人は来るだろうか…手に取ってもらえるだろうか…買ってもらえるだろうか…」など心臓が張り裂けそうになっていたのを覚えています。
自分のスペースに来てもらえたのは少数の人でしたが、その分話が盛り上がり、後に仲良くなった方もいたりしました。同人誌も数部買ってもらうことができ「自分でも価値のあるものが作れるんだ!」と感動したのをよく覚えています。その勢いのまま数日後、より大きなイベントに参加申し込みをしていたほど自分にとっては大きな刺激となっていました。
2つ目に参加したイベントは、1つ目のものよりはるかに大きな規模のものでした。当時私が特に好きだった作品の同人誌や同人グッズが集まるイベントで、サークル側も参加者側も作品愛に溢れた方々ばかりでした。ここで私はまた嬉しい出来事を2つ経験します。
1つ目が「褒めてもらえること」です。以前のイベントと違い作品が絞られていることもあり、参加者それぞれの好みの共通項がたくさんあるイベントだったため、自分の同人誌を見て反応してもらえることが多かった印象でした。「すごく可愛いです!!」なんてストレートに褒められたら、誰だって舞い上がってしまいますよねぇ。
2つ目の経験が「完売」です。こうしたイベントで扱う同人誌はあくまでファンが自費で印刷・販売を行っているため、在庫には限りがあります。当時は学生だったこともあり大量の出版は金銭的にできませんでしたし、そもそもすぐ売り切れになるほどの人気絵師ではありませんでした(笑)ただ前述したように好きな作品が同じ人が集まるイベントのため、自分の同人誌も手に取って貰う機会が多かったと記憶しています。イベント終盤には私のような若輩者でも、同人誌を「完売」させることができました。
「完売」は当時の絵師たちのステータスのような意味を持っていて、創作活動が成功したかどうかの指標の1つになっていました。自分が夢中で考えて創作した同人誌を全て買ってもらえた、という喜びはひとしおでした。この時の私は嬉しさのあまり、ガッツポーズを取っていたのをよく覚えています。今となっては少し恥ずかしい思い出ですが、これまでの活動が全て報われたようなあの瞬間は、一生忘れないと思います。
友人と共に作った作品
そんな素晴らしい経験をした私ですが、実はそのイベントと同時並行で別の創作も行っていました。2つ目のイベントに向けて原稿を作成していたある時、同じ大学の友人も創作活動をしていることを知ったのです。彼は絵やイラストではなくSS(ショートショート)と呼ばれる、小説的な二次創作物を作っていました。長い間一緒に講義を受けてきた友人でしたが、お互い恥ずかしさから二次創作の話をすることなく過ごしていました。大学4期生のある時ひょんなことからその話題になり、意気投合。彼はネットに創作物をアップロードしていましたが、私のように形として残したり、販売したりということはしていませんでした。彼が言うには「自分のような素人が作ったものなんて、イベントに出たり売ったりするほどの価値はない」とのこと。
その言葉を聞いた時、自分が二次創作イベントに出るきっかけになった友人の言葉を思い出しました。「一緒にイベントに出てみない?」あの言葉がなければ自分もそういったイベントに出ることは無かっただろうし、声をかけてもらうまで、私にも「自分の作品なんて世に出すほどのものではない」という思いがあったのです。しかしいざ一歩踏み出してみると、そこには想像していたよりも素晴らしい世界が待っていました。今度は逆の立場として、私が彼の一歩を後押しなくては!という思いが込み上げ、「俺が表紙と挿絵のイラストを描くから、2人で1つの作品を創ってイベントに出よう!」と声をかけていました。
そして2人で参加する別のイベントにも申し込んだわけですが、誘ったはいいものの自分自身の作品にも取り掛かっていたため、そのスケジュールは混迷を極めていました(笑)学業・アルバイト・自作品に加えて友人との合作の作品にも着手するとなれば当然ですね。当時の私も「ま、どうにかなるか!」と半ばヤケクソでやっていた部分もあったと思います。
大学が終わればバイトに行き、帰って風呂と夕飯を済ませたら原稿に取りかかる…みたいな日常が普通になっていました。大学やアルバイトが休みの日には、自分の作品の原稿を1日8時間ほど書き続けた日もありました。その合間に友人に送ってもらったSS(ショートショート)の原稿を読んだり、家まで来てもらい表紙絵の打ち合わせなんかも行ったりしていました。今思い返すと、その頃の自分はとんでもなくエネルギッシュだったなと思います(笑)
慌ただしい日常もなんとか落ち着き、自分で参加する2つ目のイベントで「完売」の結果を持ち帰ることができた後、いよいよ友人と合作したSSで参加するイベントの日がやってきました。自分だけで参加するのとはまた違う緊張感がありましたが、メインとなるSSを仕上げた友人はなおさら緊張したと思います。結果として完売とはなりませんでしたが、複数冊手にとっていただくことができました。最初の1冊が売れた時の「じおら…売れたよ…!」という友人の言葉は今でも心に残っています。
熱中できる趣味の素晴らしさ
勢いのまま始めた二次創作でしたが、いつの間にか周囲も巻き込み活動するようになっていました。始めた頃は、卒業するまでに1つでいいから同人誌として形にできたら理想だな、とぼんやり考えていましたが、いつの間にか個人誌2冊と友人との合作1冊の合計3冊も作り上げていました。ど素人の自分がそこまでやり切れるとは、若さというものは凄まじいエネルギーを持っているなと自分でも驚きます(笑)
また、思いつきで始めた二次創作にそこまで本格的に取り組めた理由として「学生であるうちにやり切りたい」という考えがあったからだと思っています。当時学生ながら、社会人になってもそうした趣味に時間を費やすのは難しいと想像していたため、今挑戦したいことを学生のうちにやり切ろう、という信念のもとコツコツ原稿を進めていました。だからこそ卒業まで突っ走れたのでしょうねぇ〜……ちなみに、社会人になった現在は忙しさにかまけて創作活動には一切手を出せておりません(笑)
もしこのブログを読んでくださっているあなたが挑戦したいものがあれば、今すぐにでも取り組み始めるべきだと思います。私は大学生の間だけという期限を自分で設けて二次創作活動をしていましたが、それはあくまで私の話。今回のブログでは「若さ」というフレーズを多用していますが、今この時代において、物事を始めるのに遅すぎるということは無いのかなと感じています。
少し長くなってしまいましたが、自分語りはこれくらいにしておこうかと思います。今後の投稿では、私のように二次創作活動をしている方向けに「同人誌の作り方」も記事にしてみようと思います。こちらもニッチですがお楽しみに。